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ーCONCEPT SHEETー
ーCONCEPT SHEETー
ーCONCEPT SHEETー
ーDIGITAL SEA SERIESー
DIGITAL SEA 世界は「0」と「1」でできている
そこは、神、生、死、愛、性、善、悪、欲望、自由、すべてのものが漂っている。
そこは、0と1しか存在しないとても美しい永遠の宇宙である。
そこは、あまりにもミニマムなために壊れやすくとても危険な世界でもある。
ーWHITE ENERGY SERIESー
2つの対立する要素を
融合する超絶絵画
西洋哲学はギリシア以来つねに二元論を基本にしている。たとえば善と悪、実在と非在―のように。原神一の作品の主題は、同様に2つのあい異なる要素を用いる。つまり光と影 ( 陰陽 )、死と再生、ミクロとマクロ。もっとも顕著なのは西洋と東洋であり、そしてアナログとデジタルである。だが西洋哲学が二項対立しているのとは異なって、この背反する事柄は対立せずに融合しているようにみえる。
絵画の構造に関していえば、グローバル・コンテンポラリー絵画にもみえる。ポップアートやシミュレーショニズムを通過している。あるいはジャスパー・ジョーンズ以降のポストモダン絵画を再度現在の感覚で再構築している側面がある。グラフィティアートから連なる今日の様式すらどこかに内包しているようだ。鮮やかな白のストロークで一気に描かれる気の流れは、琳派や北斎など日本の伝統的意匠を連想させもする。ようするに生きてきた中で感銘を受けたあらゆる美的要素を、持ち前の技術で見事に定着させ、芸術に統合していくダイナミズムを有している。
とりわけ非人間的なデジタルと有機的なアナログを同一画面になんなく持ち込み調和させる構成力は注目に値する。ジェフ・クーンズがかつて NYの金融商品仲買人であったので資本主義をアート化しえたように、原はNEC のシステムエンジニアであったことがあり、ゆえにアーティストに転じた現在もデジタルの二進法をコンセプチュアルアートのコンテキスト上で昇華しうるのである。
森下泰輔 ( 美術評論家 )
TOKYO POP 琳派の再来
2015年は「琳派400年」。本阿弥光悦が徳川家康から洛北鷹峯に所領を与えられ、芸術村を拓いた元和元年(1615)から数えての記念年で、京都では様々なイベントが催されました。琳派は、私淑による継承が特徴ですが、単なる模倣ではなく、ほぼ100年ごとに傑出した芸術家が現れ、各々の時代に自由な発送で創作を展開した絵描きの集団といえます。
このたび展覧会が開催されるはこびとなった原神一氏もまた、独学で自身の世界を創り上げたアーティストです。彼は長年にわたりCGを駆使した個性的なCDジャケットを創作してこられましたが、いよいよ、余技として続けてきた絵画の世界でプロとしてのスタートを切ることになりました。その作品は、アクリル画でありながら下地に白緑を引くなど、平安時代から続く伝統的な日本画の技法も自在に融合しており、また金泥や金箔を効果的に用いた装飾性ゆたかな表現には、日本美術のDNAに根ざした「かざり」の美意識をみてとることができます。
私は彼の才能あふれる独創的な作品に出会い、その芸術を「TOKYO POP」と名付けました。
細見良行 ( 細見美術館館長 )
GHOST ANGEL
team SHINICHI HARA
SPRIT FACE ---ICON
人間は遠い昔からお面(顔)の中にその時代の精神性を表現してきました。アフリカの原住民やエンディアンなどは、様々なお祭りや儀式で悪霊を追い祓ったり、神との交流をはかるためにあらゆる場面でお面を用いてきました。そして、そこにはその時代の精神性が凝縮されていました。それでは現在はどんなお面になるのだろうと考えた時にこのシリーズが誕生しました。このシリーズに登場するアイコン(記号)は世界中の新聞、図鑑、雑誌、インターネット上(科学、宗教、歴史、公共、医学、ファッション、スポーツ、音楽)などからボーダーレスに集めたものであります。人間は遠い昔からコミュニケーションのためにシンボル(記号)を作ってきました。そしてそれらには時代ごとの精神性とエネルギーが凝縮されているのです。私は現在世界中に漂うシンボルをゴミを拾うがごとく収集しています。作品の中の記号は入れ替え自由で入れる記号によって顔の表情が変化します。作品はCD-ROMの中に納められていて、世界中どこでも大小自由にプリントアウトできるようデジタル化されています。
TOKYO ICON、
スカルに刻まれる
アイコンとは、世界中で30年以上かけて育てられてきた国際標準語だ。アイコンさえあれば、たとえ言葉なんか通じなくても大丈夫。ここは禁煙ですよ、写真は撮っちゃだめ、これ以上の進入は禁じられていますよ、などという現実的なルールであればアイコンひとつで簡単に解決できる。また、ユニセフのとてもすてきなマークは、母と子の絆こそが世界の要なのだ、という深淵にして絶対に忘れちゃいけないことを、改めて考えさせてもくれる。アイコンの力は東京中に浸透していて、私たちは無意識のうちにコミュニケーションしているのだ。この力を見抜いたのが、あの原神一である。原は、ハートフルに、アイロニックに、ときにはエネルギーを暴走させながら、混沌の中から原独自のアイコン国際共通認識ワールドを構築した。原の作品を眺めるうち、目になじんだアイコンの新しい意味性に気づいたり、私たちの世界そのものの変質を体験できるだろう。このアイコンをタトゥーしたゴールド・スカルは、陽気なんだか、不気味なんだか・・・。姿は明快なのに、意味の上では曖昧さから離れられない。私たちそのものではないか。
高橋周平(多摩美術大学教授)
TOKYO POP | Japanese Contemporary Artist
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